籐・ラタン家具の歴史1
籐・ラタンと人間の関わり、その歴史について触れます。
古くは古代エジプトから
古代四大文明のひとつ、エジプトの例が最古のものとされます。紀元前4000年頃、籐のスツールが使われているようすを刻んだレリーフが発掘され、博物館に保存されています。
また、西暦2世紀頃のものと思われる石彫のレリーフにも、籐イスと思われる形状のものにローマ人女性が座っている姿が描かれています。
植民地時代にヨーロッパに広がる
14~15世紀頃の西ヨーロッパ諸国は、いわゆる大航海時代、植民地獲得の時代に入っていきます。その頃から、東南アジアなど現地の労働力と籐・ラタン資源を用いて家具を作らせ、本国に持ち込むという形で、ヨーロッパに籐・ラタン家具が入るようになりました。イギリス、スペイン、ポルトガル、フランスといった国々です。
ルネサンス期ではルイ13世が籐を用いたイスを使用しており、続くルイ14世の時代には籐や皮を加工した家具が流行しました。
第二次世界大戦の頃にいたるまで、ヨーロッパ列強諸国は、多種多様な籐・ラタン家具を東南アジアから収奪しています。
日本に入ってきたのは約1000年前
日本には熱帯地域で採れるようなヤシ科の籐はありませんでしたので、海外からの渡来を待たなければなりませんでした。しかしその伝来は早く、少なくとも1000年以上は前のことだっただろうと考えられています。
当初は家具ではなく、重藤弓(しげとうのゆみ)やなぎなたの柄巻など、武器に使われたようです。
2022-06-25 07:38:09
店長日記
| コメント(0)