籐材の特徴について3
つる植物・材としての用途
つる植物の生存戦略と進化から、その材としての特質を説明してきました。その特質ゆえに、多くのつる植物は、世界の広い範囲で加工品、工芸品の素材として活用されてきました。「曲げに強く、しなやかで強靱、引っ張り強度が高い、しかも軽量」、その特質の活用例をいくつか挙げましょう。
・籠やいすなど
比較的身近で見かける例です。「竹」でも同じようなものが作れますが、籐などのつる植物を用いたものの方が軽量で、肌を傷つけるような「ささくれ」も生じません。
・ロープやヒモ
「高い引っ張り強度」という特質からして、ロープやヒモにはうってつけです。種類によっては一本で十分に信頼性のあるロープになりますし、細いつる植物をより合わせても、もちろん強靱なロープが作れます。
・橋だって架けられる
日本の高度な技術が生きる本四連絡橋も、支えているのは「ロープ(ワイヤ)」です。強いロープがあれば橋が架けられます。東南アジア、南米などの地域では、ほぼつる植物だけで人が渡れる橋をかけることがよくあります。ちょっと田舎の地域のことにはなるのですが、今でも現役で活躍している橋が数多く存在します。
・熱気球のゴンドラ
強靱で、さらに軽量であることから、空を飛ぶものにまで使われています。熱気球のゴンドラの素材としては、籐以上に良いものは存在しません。
・その他
車輪のスポークにも使えます。これはもう、引っ張り強度のおかげですね。
その他、ステッキにもなりますし、ムチにもなります。
2018-11-12 16:12:05
店長日記
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