籐材の特徴について2
上へ上へと伸びていく為に
数多くの種にまたがる「つる植物」の茎の性質が、籐材の特質につながります。
・曲げに強く、しなやか
自立するわけではないので、茎は細いままです。しかし同時に、他の樹木の幹を、曲面に沿って這い上がる必要から、ヨコ方向の曲げに柔軟に対応できるように進化しています。固く、もろく、ポキリと折れるようでは困るのです。つる植物の茎は、細く、やわらかく、強靱です。
・引っ張りに強い
つる植物は、細い茎のまま高く高く伸びていきます。そうすると、上の方の茎は、そこよりも下の部分の自重を支えなければなりません。樹木に巻き付いたりトゲを引っかけたりして、ある程度負荷を減らしているとはいえ、その自重は相当なものになります。もちろん、その負荷でプチッと切れてしまうようでは困るのです。そのため、つる植物は高い引っ張り強度を持つ方向に進化しています。
・太い道管
その高い引っ張り強度に貢献する要素が「太い道管」です。道管とは、根から吸った水分を吸い上げる管のことです。
つる植物は、杉のような高い樹木のてっぺんまで伸びます。その高さだと、毛細管現象で水を吸い上げることはできません。したがって、道管を細くする方向の進化はありえません。ある程度以上の高さになると、細い道管は不利になるのです。
そのためつる植物は、逆に道管を太くする進化を選びました。この太い道管が、強靱な繊維となり、高い引っ張り強度と、曲げに対する柔軟性を生み出しているのです。
・軽い
もともと数多く存在する道管が太くなるということは、乾燥させれば茎の中の空洞部が多くなるということです。この為、つる植物の素材は強靱でありながら軽量になります。
2018-10-12 10:46:04
店長日記
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